平成30年1月9日

 

あけましておめでとうございます。

士別動物病院では、獣医師を募集しています。

是非、ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

現在の職場に疑問があったり、大動物に興味があるけど、経験がないなど・・

どんな方でも、まずはお気軽に問い合わせ下さい。

ところで、バイオフィルムというものをみなさんは、ご存じですか?

なかなか治らない乳房炎や肺炎など、ある種の細菌は抗生物質から自分自身を守るために、ある種膜のようなものを分泌するようなのです。

そのバイオフィルムを破壊しなければ、抗生物質がその細菌に到達しないというわけです。

高張食塩水には、そのバイオフィルムを破壊させる能力があるようなのです。

難治性の乳房炎を、高張食塩水で洗浄するとかなり効果があるようです。

今度試してみます。



平成28年10月31日

 

 繁殖成績の悪化が、乳量の増加と関係していると言われていますが、実際はどうなんでしょうか?健康な牛でも、乳量が増加しただけで、繁殖成績が悪化するのでしょうか?文句ないエサを作って、かなり丁寧に牛を管理されている牛でも、乳量が増加すると、繁殖成績が悪化するのでしょうか?繁殖成績の悪化を、乳量の増加のせいにしていては、日本酪農の発展はありません。

 分娩後、20日から40日の子宮を覗くと、かなりの牛の粘液が汚れています。粘液の汚れの原因は、難産、胎盤停滞がほとんどです。胎盤停滞の増加は、間違いなくその後の繁殖成績に影響します。胎盤停滞をなくす管理に重きを置く飼養管理を徹底するだけでも、繁殖成績が改善すると思います。


平成28年10月17日

 

右四変手術直後のデキサ投与。かなりいいですね。


平成28年10月14日

 

四変が続きます。しかも右四変。みんなかなり重症。三胃が明らかに浮腫になっていて、デキサを投与した牛は、随分元気になりましたが、今日の牛はどうでしょうか?

TMRセンターの粗飼料の水分がかなり少ないために、牛が簡単に配合飼料の選び食いができるようで、それも原因になっているようです。

ちなみに、下記の9月27日の手術の牛は、お亡くなりになりました。

 


平成28年9月27日

 

今日は、右四変。かなり水がたまっていました。私が手術した中で、もっとも多量の水があったと思われます。明日はどうなっているでしょうか?


平成28年9月25日

 

乳牛が肢が痛くて、立ちが悪い時は、蹄底潰瘍、趾間フレグモーネ等がありますが、もうひとつルーメンアシドーシスからくる疼痛があります。ルーメンのPHが下がり、それによりルーメン内の細菌が死滅することにより、エンドトキシンが放出されます。それが循環血液量の少ない、肢の先端部分にたまることによって、おこる炎症です。

最近、私はそのような牛に、エンドトキシンの血中濃度を薄める目的で、高張食塩水の投与を酪農家にお勧めしています。これが、結構いいんです。牛によっては、2日ぐらいでかなり立ちが良くなる牛もいます。元気にもなり、点滴させてくれなくなるようです。

しかも、一時的に良くなるだけでなく、これがきっかけですっかり疼痛も緩和されてしまうようです。

ルーメンアシドーシスの原理を、畜主が理解すると飼養管理の意識も改善します。

酪農の飼養管理で、いかにPHを下げないで牛を飼うかという意識は、大変重要なものだと思います。

 

 


平成28年9月22日

 

ベサネコールは、効かず、今日は、左四変手術でした。


平成28年9月21日

 

昨日PGを投与した牛は、無事授精しました。1回でとまって下さい。

 今日は、左四変もありましたが、まだあがったばかりのようで、反芻もしていたので、まずはベサネコールで様子見。

 でも、ベサネコールは安い薬の割には、胃腸を動かす効果は抜群です。


平成28年9月20日

 

ずいぶん前の文献に、発情誘起の際のPG投与で、前もってキトサンを子宮内に注入しておくと、受胎率がかなり上がるという論文がありました。

 PGのみでは、37.9%だけど、キトサンPGでは、74.1%という報告でした。

 私も、やってみました。明日は、その3頭に授精です。

 しかし、無発情で繁殖検診に行って、膣鏡で子宮を確認して、卵巣を触診して、キトサン

 を注入して、PGを投与するとなると、いつもの倍は時間かかりますね。