日本の草地

 DAIRYMANの2018年9月号に、酪農学園名誉教授の安宅一夫先生が、日本の草地について、以下のようなことを書かれていました。

「草地酪農の先進地である、ニュージーランドでは、単位面積当たりの乾物収量が、北海道の2~3倍もある。また、1haの草地から約20tの牛乳生産が可能である。一方、北海道では、6t以下とされている。ニュージーランドの基幹牧草は、ペレニアンライグラスとシロクローバー、デンマークではペレニアンライグラス、アメリカではアルファルとトウモロコシである。一方、北海道の基幹牧草は、チモシーで、しかも草地の半分は雑草である。その品質と栄養価は、デンマークの基準では、超低消化牧草に分類される」そうです。

 私が疑問なのは、酪農学園の先生始め、多くの酪農研究者が、この世界の実情を把握していながら、一向に

北海道酪農が変わらないのは、なぜなのか?という素朴な疑問です。

 ペレニアンライグラスが、そんなに良ければ広まればいいのですが、それが広まらない。気候の問題なのでしょうか?それとも、やる気がないのでしょうか?

 次の日本における酪農の課題は、粗飼料の大転換です。もし日本に最も適した粗飼料が見つけ出され、それがしっかりと広がっていけば、こんな有意義なことはありません。研究者の方、どうか北海道酪農を根底から覆すような、粗飼料研究をお願いします。