DAIRYMAN2016年8月号に、静岡県東部NOSAIの伊藤拓也先生が、乾乳をしないことで周産期疾病の発生率を低下させることができるとの記事が、ありました。
それによると、乾乳牛と無乾乳牛では、分娩後の疾病発生率で、乾乳牛が20.0%、無乾乳牛が13.0%。同様に1頭あたりの診療回数が、乾乳牛が4.0±2.3、無乾乳牛が2.0±0.7。発症牛1頭当たりの診療費(円)が、乾乳牛が27,043±1109、無乾乳牛が9,660円±333だったそうです。
年間総乳量は、ほとんど差が認められなかったそうです。
伊藤先生によると、どんな牛も無乾乳に向いているわけではなくて、過肥牛、高温期分娩予定牛など、分娩後の使用管理が難しい牛が対象のようです。
逆に、無乾乳に向いていないのは、痩せすぎの牛、乳質が悪い牛、時期分娩が2産目の牛、双子分娩予定の牛だそうです。
過肥牛の分娩後の管理は、どんな酪農家も苦労しています。今後は、牛をみて乾乳の有無を決断する飼養管理が、普及する可能性があると思いました。